チェリッシュxxx 第4章

B 自業自得?


「ねぇ、なんで最近付き合ってくれないの?」
女が髪をかき上げながらオレを上目遣いに見る。「しよーよ? ね?」
「・・・お前、男いるじゃん」
「いるわよ? でもそんなのカンケーないの!あいつのコトは好きだけど、エッチは陸としたいの!」
・・・威張って言うことか?
まぁ、以前までのオレも、この女と同じような考えだったし、実際そう行動してきたし、別にそれ自体を否定する気はない。
ただ、オレはもう相手をしてやれないだけで・・・
「わりっ! オレも彼女出来たからさ・・・ 勘弁してくれよ?」
「今までは彼女いたってしてたじゃない?」
そーなんだけど・・・
「んじゃ、また今度ね?」
「今度って、いつ?」
と女が食い下がる。
・・・しつこいね?
メンドくさいから黙っていたら、
「ああーっそッ! いーわよっ! あんたなんかこっちからお断りよッ! 何よっ! どーせ勃たなくなったんでしょっ! あんたのチン・・・」
「―――おいっ!?」
女がピー文字を連発しだしたからオレは慌てた。
みんなが面白そうにこっちを見ている。オレたちは、教室前の廊下で話しているところだった。
急いで階段の踊り場に連れて行き、なんとかなだめすかそうとしたんだけど、
「バカにしないでよっ! この役立たずっ!」
と最後には頬を叩かれた。
役立たずって・・・ 男にはかなりダメージ強い言葉だよな・・・
やっと女から解放され、うんざりしながら教室に戻ると、
「スゲーな、陸! 今の3年だろ?」
とジュンが腹を抱えて笑っていた。「役立たず!・・・にはウケるな!」
わざわざ踊り場まで移動したのに、女の声がデカ過ぎたせいで、話が筒抜けだったようだ。
オレは頬を押さえながら、
「クソ・・・ 猫に引っかかれた気分だな」
「ははっ。なんだソレ?」
「ウチに来て餌ばっかねだるから、飼い主んとこ帰れっつったら・・・バリッ?」
「おまえんち出入りしてた猫、多いもんな〜。・・・てか、出入りしてたのはお前の方か? 正確には」
否定できないから、オレもジュンと一緒になって笑う。ひとしきり笑ったあと、ジュンは、
「でも、あれだろ? お前も飼い主、見つけたんだろ?」
「あ?」
「ヒカルちゃん」
ジュンはなぜか結衣のコトを、ヒカルと呼んでいる。
「あー・・・ 笑うよなぁ」
昔のオレだったら、1人の女に縛られるなんてコトは考えられないことだった。
「おお、笑えるよっ! ってか、そんでもいんじゃね?」
ジュンは人差し指を立てて、「100人と1回ずつヤッても、1人と100回ヤッても。 同じだろ?」
「・・・まーな」
って、まだ結衣とはヤッてねーんだよな。
それ知ったら、こいつ、笑うの通り越して絶句すんだろーな・・・
ってか、よく考えたらオレ、もう3ヶ月近く誰ともヤッてねーぞっ!?
一番、「性春」を謳歌したい、高校生男子が―――・・・ コレじゃ修行僧だろ!?
マジでビョーキになっちゃうよ・・・
早く、誕生日になんねーかな・・・
今まで、何回か結衣を抱くチャンスがあったにもかかわらず、ことごとく邪魔が入り(川北、殺すっ!)オレはお預けを食らっている状態だった。
一体いつになったらヤラせてくれんだ? とシビレを切らしたオレは、7月7日のオレの誕生日に結衣をもらう約束を強引に取り付けた。
オレは来週から始まる期末テストの勉強もそっちのけで(って、いつもだってやんねーんだけど)そのコトばかり考えていた。
・・・やっぱ、初めからあんまハードな事は出来ないよな。
ってか・・・1回で、済むかな? オレ。
イヤ、済まねーだろっ!? これまで相当ガマンしてきたし、その反動が・・・凄そうだ。
2回・・・ いや、3回くらいはヤッても大丈夫かな? ま、結衣次第だな。
オレとしては、一晩中でも繋がってたいんだけど・・・
オレがそんなエロい妄想にふけっていると、
「陸―――っ!」
と教室の入り口のところでクラスメイトがオレを呼んだ。「面会―――」
「またメス猫じゃねー?」
ジュンがニヤニヤしながら、「陸がいらねーなら、オレに回してくれよ?」
「いーけどさ。オレのあとじゃお前がカワイそーだな」
「イヤ? オレ ヒデと違って全然そーゆーの平気だから」
「ちがーよ。テクの差があるだろ? オレとお前とじゃ―――いてっ!」
スネを蹴られる。
「早くしろよ?」
オレを呼んでいたクラスメイトがこっちにやって来る。「なんか、そーとーイカってんぞ?」
「必ずオレに回せよ? オレのが上だってコト、証明してやる」
オレは笑いながら出入り口のところに向かった。
てっきり女だと思っていたから、オレは油断していた。
廊下に出た途端、イキナリ腹を蹴り上げられた。 思わずうずくまったところに、今度は顔を蹴り上げようとエンジ色の上靴が近づいてきた。
顔面を蹴られる直前、オレはその足をつかみ上げた。相手が尻餅をつく。オレは野生動物の素早さで、相手の腹の上に馬乗りになった。鬱陶しい長髪にターバンを巻いている男だった。
「テメー、今野っ!」
ターバンがオレの下から胸倉をつかんでくる。「ふざけんなよっ!」
「ふざけてんのはテメーだろっ!? なんだイキナリっ!!」
3年だとは分かったけど、腹に一発食らってることだし、イキナリでオレもムカついたから、2、3発殴ってやった。
周りから悲鳴が上がる。
すぐ側に人の気配を感じた。
ターバンの胸倉をつかんだまま振り向くと、仲間らしい男が立っていた。手に小型のフォールディングナイフを持っていて、ブレードをハンドルから出したり入れたりしている。
オレがそいつを睨んでいると、ターバンが再びオレに殴りかかってきた。避けきれずに何発かがオレの顔に当たったけど、その倍殴り返してやる。
「コラ―――ッ! 今野ォ―――ッ!」
廊下の向こうから教師が怒鳴りながら走ってくる。ナイフを持っていた男はスッとその場から去って行った。
「何やってんだ、お前はっ!?」
教師がオレのシャツをつかんでターバンから引き剥がそうとする。そのまま大人しく離れてやろうと思ったら、ターバンが唾を吐いてきた。
離れかかっていた体を一瞬戻し、ターバンの肩を蹴りつける。
「今野っ!」
「だって、こいつが―――」
「いいから、来いっ!」
オレとターバンは職員室に連行された。ターバンが担任の教師に引き渡される。
オレの担任は、研修だかなんだかでいなかった。
「いいか? お前ら商業科が風紀を乱してるんだぞ? 俺がどんだけ苦労してると・・・」
オレはよりによって、川北に引き渡された。
オレは割と要領がいいほうだから、ホントはこれっぽっちも反省なんかしていなくても、そこそこ殊勝な態度をとってお咎めを軽くすることくらい簡単だった。
実際それで、前に体育館でテコンドーにタバコを持っているのが見つかり職員室に連れて行かれたときも、反省文程度で済んでいた。
が、今 目の前にいるのは、あの川北だ。こいつは、オレと結衣がヤろうとすると、必ずどこからか現れて、邪魔をしてくれる。
ムカついたから、この前こいつの車に制裁を加えてやった。
「聞いてんのかっ!?」
川北が持っていた竹刀で床を叩く。「大体なんだ? そのオレンジの頭は! 服装・頭髪の乱れが生活の乱れに繋がって行くんだぞ!」
「コレ、地毛ですから」
川北がちょっと眉を寄せる。
「・・・そーなのか?」
んなわけねーだろ?
「はい。母がアイルランド系カナダ人で、オレ、ハーフなんです。この髪のせいで、小さい頃からイジメられてて・・・」
「そ、そーか・・・ いや、それは悪かったな」
オレが大げさに肩を落として話していると、
「川北先生。騙されちゃダメですよ? 今野、入学当時は黒かったんですから、頭」
と横から商業科の教師が口を挟んできた。
川北の顔色が、見る見る間に変わる。
まるでリトマス試験紙だ。 赤くなったから、酸性・・・
「ふざけるな―――ッ!!」
・・・やりすぎた。
「いいか? 次、何か問題起こしたら、即停学だからなっ!?」
「なんスか、それ〜。さっきのケンカは向こうが売ってきたんスよ?」
「なんだ? 即停学に不満があるなら、即退学でもいいぞ?」
ターバンが5分ほどで解放されたのに、オレは20分以上も説教をされた。貴重な昼休みが散々だ。
ふて腐れながら教室に戻ると、
「なんか、メス猫じゃなかったみたいだな?」
ジュンがのん気に声をかけてくる。「飼い主だな、ありゃ」
「飼い主?」
「3年の関口と藤沢だろ。殴ってた方が関口で、ナイフちらつかせてたのが藤沢」
「知んねー」
「あいつらケッコーしつこいから、気を付けたほうがいいぞ?」
「オレが何したよ?」
「餌付け」
とジュンは言って、「藤沢の女と、ヤッたろ? お前」
・・・どれが藤沢の女なんだよ?
ってか、ヤッたとして、3ヶ月以上も前の話だろ??
なんで今頃・・・
「なんか、別れるとか、言い出したらしいぞ? その女」
「藤沢と?」
「お前に、男がいる女とは寝ないって、別れたらヤッてやるって断られたからだって」
ちょっと待て? そんな断り方はしてないだろ。
「とにかく、それが藤沢の耳に入ってイカりまくってるってワケだな。・・・ま、イキナリ別れるとか言われて、その原因がお前で、しかもすでにヤッちゃった後ってんだから」
普通の男なら怒るわな、とジュンは続けた。
・・・知らねーよ、そんなこと。
大体、浮気されるほうも悪いだろ? テメーの女のしつけぐらいしとけよな。
それにしても、この顔の傷・・・ 絶対、結衣に突っ込まれるよな・・・
ここのところ、誘ってくる女を断るたびに頬を張られることが多くて、結衣には、
「ねぇ? ホッペ赤いよ?」
と突っ込まれていた。「どうしたの?」
まさか、セフレとこじれて殴られたとは言えない。
「もしかして、ケンカ?」
という結衣の勘違いをそのまま利用させてもらってたんだけど・・・
今日のは本当にケンカで出来た傷だったから、ビックリするに違いない。
案の定、結衣は一瞬心配したあと、何やってるのっ!とオレを睨んだ。
さらには、
「ケンカばっかりして・・・ テスト勉強はやってるの?」
と先輩風を吹かしてきた。当然だけど、やってない。
でも、正直に言ったらまた怒られるから、オレは結衣をからかうことにする。
「勉強はそこそこやってるよ。それより、テスト最終日・・・オレの誕生日だよ?」
ほら。すぐに赤くなる。
もう結衣は、ケンカの話なんか忘れてる。
「な、何がっ?」
とぼけても無駄だよ。
その顔、もう返事してるのと同じなんだけど?
「マジで楽しみだな〜♪ どんなことしてもらおう?」
オレはわざとらしく腕を組んで考え込むフリをし、結衣のことを盗み見る。
結衣はちょっと俯くと、さらに顔を赤くして、困ったように眉を寄せている。
どんなことさせられると思ってんだろ?
ま、いくら結衣の想像力をフル稼動させても、オレの頭の中で奉仕させられているようなことは思いつかないだろうけど・・・
結衣が困った顔のまま、ドリンクのストローに口を付ける。それを見つめるオレ。
もう、オレの脳内コンピュータは、ドリンクのストローをオレのモノに勝手に変換している。 ・・・メモリー完了。
よし! 今夜はコレで、目くるめく世界に・・・・・って、オレ、かなり重症だよな。
こりゃ、マジで早く誕生日きてくんないと、ビョーキになっちゃうよ! 精神的な・・・
不意に、結衣が上目遣いにオレを見上げる。急に後ろめたい気分になり、
「そ、そうだ! 七夕の日さ、もし晴れたら、星見に行かねー?」
なんて、どーでもいい話をしてしまった。

数日後、オレはまた関口たちに呼び出された。
明日からテスト期間なんだけど、科目が違う普通科と商業科はテスト終了時間も違っている。商業科の方がちょっと遅くなっていた。
オレの方が早ければ結衣のことを待っていられるけど、先に終わる結衣を待たせるのは・・・
だから、今日が一緒に帰れる最後の日だった。
そんな考えもあって、放課後 関口たちに呼び出されたとき、オレは最初からふて腐れた態度で体育館裏に向かった。
「しつこいね、ホントに」
「ウルセー! 前からテメーにゃムカついてたんだよッ!」
関口がオレの襟首を掴み上げる。殴られる前に、唾を吐いてやった。この前のお返しだ。
「テメェッ!?」
関口が殴りかかってきた。いくらテメーの女を寝取ったからって、オレも遠慮する気はなかったから、関口を体育館の壁に追い詰めて殴りつけた。身長で10センチ近く差があるから、圧倒的に関口の方が不利だった。
どうも、手が早いのは関口の方で、藤沢が殴りかかってくることはなかった。オレたちの側で成り行きを見ている。胸ポケットにはフォールディングナイフ。
関口が、
「て、テメー! 調子にのってんじゃねーぞっ!?」
と座りこんだ。
弱くはないけど、強くもない。そんなんじゃ、何回来てもやられちゃうよ?
オレがため息をつきながら体育館裏から立ち去ろうとすると、
「ちょっと待て」
と藤沢の方が声をかけてきた。「ヒトの物を盗っちゃいけないって、小学校で習わなかったのか?」
オレはうんざりしながら振り返り、
「だからぁ! 男がいるなんて知らなかったんだよ。大体誘ってきたのはあっちなんだから・・・」
「教えてくれよ? お前のその自信ってどっから来るわけ?」
オレは顔の前で手を合わせて、
「もう、ホント許して? ってか、二度と会わないし。だからセンパイ達も安心していいよ」
「―――なんでオレらが、テメーに心配されんだよっ! ふざけんなッ!」
と関口が座りこんだまま怒鳴る。
じゃ、どうしろってんだよ・・・
「―――結衣・・・」
「え・・・」
一瞬耳を疑う。
今、結衣って言わなかったか・・・?
「って、いったよな? お前の女」
「―――なんだよ」
やっぱり、聞き間違いじゃなかったみたいだ。
「イヤ、意外だったな〜と思って」
「あ?」
「あんなガキっぽいのが、お前の趣味だったとはな〜」
「・・・・・・」
にわかに胸の動悸が激しくなってくる。
まさか、こいつら・・・
「しかも、まだ手ェ出してないってのが笑えるよ」
「なに? 処女だからって、大事にしちゃってるワケ?」
関口が立ち上がってオレの肩に手をかける。「結衣ちゃんの胸、ちっちゃかったな〜」
関口の胸倉をつかみ上げる。
「ッ! テッメー・・・!!」
関口は殴りかかってはこなかったが、ニヤニヤ笑っている。
「安心しろよ。まだなんもしてねーよ」
関口の襟首をさらに締め上げる。
「・・・ってか、邪魔が入って出来なかっただけだけどな」
―――邪魔・・・?
「あの子にしちゃ、王子様の登場!って感じだったな」
誰だ―――?
って、そんなことはどうでもいい。
「結衣はカンケーない。手ェ出すなよ!?」
「ずいぶんエラソーだな。立場が分かってないな、お前」
「じゃ、どうすりゃいいんだよっ!?」
女のことなら、謝ったろ!?
「別に・・・ ただ、お前のそのスカした、自信満々な態度が気にくわないだけ」
藤沢は、関口を掴んでいるオレの手を解きながら、「お前が、うろたえて、泣き叫んで、絶望に打ちひしがれるのが見たいだけ」
「―――結衣に手ェ出したら、ぶっコロスからな・・・」
二人は笑いながら体育館裏から去って行った。
・・・ウソだろ?
二人の姿が完全に見えなくなってから、オレはその場にしゃがみ込んだ。
なんで、こんなことになるんだよ。
自業自得って言うには、最悪すぎるだろ・・・
「最悪だな、お前」
頭上から声が降ってきた。見上げると、体育館のギャラリー部分の窓から、テコンドーが見下ろしている。
「お前のせいで彼女がどんな目に遭ってるか、知らないのか」
もしかして、と思ったけど、やっぱりこいつが結衣を助けてくれたのか・・・
「・・・いつの話なんだよ?」
「襲われそうになったときの事か?」
黙って肯く。
「さあな」
テコンドーは眉間にしわを寄せている。「彼女から、お前にだけは言うなって言われてるからな」
テコンドーを睨み付ける。
これ以上、テコンドーと話をしていても時間の無駄だ。
オレは急いで結衣のところに向かおうと踵を返しかけた。
「どうせ、彼女が倒れた事も知らないんだろ?」
「倒れた?」
再びテコンドーを振り返る。「なんの話だよ」
「彼女が嫌がるだろうから詳しい事は言わないけど、ずっと体調悪かったんだぞ? 気付かなかったのか?」
オレが何も言い返せずに黙っていると、
「それで彼氏だって言えんのかよ」
テコンドーが顔を歪めた。
「ウルセーよ! テキトー言ってんじゃねーよ・・・」
としかオレは言えなかった。
―――ホントなのか? 倒れたって・・・
全然聞いてないぞ?
とにかく結衣が心配だったし、早く話がしたかった。
「ウソだと思うんなら彼女に電話してみろよ? って、絶対お前には話さないだろうけどな。―――あんな目に遭っておきながら、まだお前の事心配してんだよ」
早く結衣のところに行きたいのに、足が動かなかった。
「彼氏らしいことが出来ないなら、せめて彼女に迷惑かけるなよ。・・・ってか、消えろよ!目障りなんだよっ!」
テコンドーは吐き捨てるようにそう言うと、ギャラリーの窓を閉めて中に引っ込んだ。

ウチに帰ってから、しばらくの間ケータイを眺めていた。
本当は結衣に早く電話したいのに、
「お前には話さないだろうけどな。―――あんな目に遭っておきながら、まだお前の事心配してんだよ」
というテコンドーのセリフが、頭から離れない。
大体なんて電話する?
「結衣、お前 襲われたのか?」
って聞くのか?
そんな辛い目に遭っているのにもかかわらず、必死にオレに隠している結衣に、そんなコト聞けるワケがない。
そもそも、襲われそうになった原因はオレだ。
オレと付き合っている限り、またこういう目に遭わないとも限らない。
いや、きっとまだ藤沢たちは結衣を狙うつもりでいる。
どうする・・・?
オレはケータイを手にした。
結衣のケー番を表示させ、思い切って通話ボタンを押す。
結衣が自分から話してくれたら、オレに助けを求めてきてくれたら、そのときは・・・結衣の側にいよう。何があっても離れない。絶対に守ってやる。
もし、話してくれなかったら・・・そのときは―――・・・
呼び出し音が5回鳴ったとき、結衣が出た。


1話前に戻る チェリッシュの目次 NEXT