be mad for Love #5 |
一瞬で、思考回路がショートする。 あのパーフェクトなメグが、そんなところに顔を埋めているのが信じられない・・・ それだけで、また感じてしまう・・・ 「メグ・・・ メグ・・・! あ、んっ!!」 あたしはバカみたいにメグの名前を呼んで、メグの髪を掻き乱した。 どんどん身体の中心に熱がこもる。 無意識に足に力が入ってしまう。 「・・・・・気持ちい?」 「あぁッ!!」 今度はまた指を入れられた。 「イヤ・・・ い・・・ あぁんッ!」 「気持ちいんだろ? ・・・腰、動いてるよ?」 そう言って、メグはまたそこに舌を這わす。 メグの舌が、指が、どんどんあたしを追い詰める。 あ、あたし―――・・・ 「メグ・・・ あたし・・・ も、もう・・・」 ・・・あたし、もう・・・・・・ これ以上、我慢できないっ! 「もう? もう・・・・・ なんだよ?」 メグがちょっとだけ顔を上げる。「・・・まだイカしてやんねーよ」 そう呟いたあと、あたしに触れていたメグの全てがあたしから離れてしまった。 「や・・・ やだぁっ!」 思わずそう叫んでしまった。 「やだ?」 意地悪い笑みを浮かべて、メグがあたしを見下ろす。「そんなにイキたかった? ・・・ホントエロいね? お前」 「ひどいよ・・・ メグ・・・」 あたしが限界に近いこと知っててやめるなんて・・・ 「でも・・・ そうだな・・・」 とベッドの縁に座ってあたしを見下ろすメグ。「問題に答えられたら・・・ ご褒美やってもいいよ?」 「も、問題って・・・ なに?」 む、難しいの・・・? ・・・それに答えられたら・・・ 続き、してくれるの・・・? メグが笑いながら首を振る。 「スゲー簡単だよ」 そう言ってメグが胸に指を這わす。 「ん・・・ あっ・・・」 触れるか触れないかの距離で動くメグの指に、じれったさを感じる。 そのメグの指先が、二つの膨らみの間辺りに滑ってくる。 ある一点でその動きがピタリと止まる。 「・・・・・この痕は、誰が付けた?」 「―――ッ!!」 心臓が引き絞られるように痛む。 メグの指の先を見なくても・・・・・ 何のことを言っているのか、すぐに分かった。 「オレじゃないよな? ・・・・・誰に付けられた?」 顔は笑ってるのに、目が氷のように冷たく光っている。 ・・・メグは、あたしから答えなんか聞かなくたって、誰がその痕をつけたのか知ってる。 知ってて・・・ あえてあたしの口から言わせようとしてる・・・ あたしはただ首を振るしか出来なかった。 「・・・誰?」 「メグ・・・ ごめんなさい・・・」 「何謝ってんの?」 メグはまだ笑いながら、「なんか、謝るようなコト・・・ したわけ?」 メグの指先にどんどん力が入る。 「い、痛いッ!」 メグの爪が肌に食い込んで、鋭い痛みが走る。 「ゴメン。 痛かった?」 メグはソフトに笑ったまま、「お前が早く答えないから・・・」 「メグ・・・ ホントに・・・ホントにごめんなさい。 あたし・・・ッ!」 「・・・・・答えらんねーの?」 「ごめんなさい・・・」 メグの顔から笑みが消えていく。 「問題に答えらんねーんなら、お仕置き・・・・・だよな?」 ベッドのスプリングが揺れて、メグがあたしから離れる。 「な、なに・・・? お仕置きって・・・」 胸に不安を抱えながらそうメグに聞いたら、 「お仕置きっていったら・・・ お楽しみ♪ だろ?」 そう言って、あたしの部屋を出て行く。 メグ・・・ 絶対あたしとヤジマの間に何があったのか分かってる・・・ なのに、それをきつく問いただしたりしないのが、余計に怖い・・・ お仕置きって・・・ なんだろう・・・ そんなことを考えていたら、間もなくメグが戻ってきた。 手に缶ジュースとケータイを持っている。 「鳴ってたぞ」 と言って、ケータイをベッドの上に放り投げる。 「あ、ありがと・・・」 メグはそのままベッドの縁に腰掛けて、持ってきた缶ジュースのプルタブを開けた。 それを一口飲んでから、 「・・・・・着信、誰?」 と視線をあたしに寄越した。「かけ直せば?」 誰からの着信だったかなんて・・・ すぐに想像がついた。 そしてそれはメグだって同じはず・・・ 「・・・いい」 「かけ直せよ」 メグがあたしからケータイを取り上げる。 そして、着信からリダイヤルしてしまった。 「メグッ!? やめてッ!!」 あたしは慌ててメグからケータイを取り返し、通話を切った。 「なんだよ? 大事な用事があったかも知んねーだろ?」 「メグ・・・」 液晶パネルにはヤジマの名前が表示されている。 メグだってそれを見てるはずなのに・・・ 「貸せって!」 再びメグがケータイを取り上げて操作したあと、それを耳に当てる。 「メグッ! やめてって言ってるでしょッ!!」 叫びながらメグの手からケータイを取り返そうとした。 けど、掴み損ねてケータイがフローリングの上に落ちる。 その衝撃のせいか、ケータイの電源が消えた。 「も・・・ ホントに、やめて・・・ 謝るから・・・」 胃がチリチリと音を立てそうなほど痛む。 「・・・・・んのか?」 「え?」 メグが何か言った。 けど小さすぎてなんて言ったのか全然分からない。 「いや・・・」 メグはそう呟いて、「・・・・・飲むか?」 と手にしていた缶ジュースをあたしに寄越した。 え・・・ 何・・・ 急に・・・ 「あ・・・ ありがと・・・」 戸惑いながら缶を受け取る。 ・・・メグの行動が、全然読めない。 読めないから余計に不安になる。 ・・・・・メグが怒ってるのは確かだと思う。 普段から、バカ、とか、アホ、とかは言われること多いけど、声を荒らげて怒鳴ったりすることは殆どないメグ。 きっとあたしと違って、感情をコントロールすることが出来るんだと思う。 けど・・・ こんなときにまで落ち着いていられると、逆にこっちが落ち着かなくなってくる。 「何やってんだよっ!? ヤジマとなんかあったんだろっ!?」 って、怒鳴られる方がまだいい・・・ って言うか・・・ お仕置きって言ってたのは・・・どうなったの? 緊張したまま、缶に口をつける。 緊張のせいか、やけに喉が乾いて一気に半分ぐらい飲んでしまった。 飲んでしまってから・・・・・ 違和感を覚える。 「・・・・これ、なに?」 持っていた缶を眺める。 「スクリュードライバー」 ・・・・・・って、なに? オレンジジュースじゃないの・・・? もしかして・・・ 「ウォッカとオレンジジュース・・・で、スクリュードライバー」 「・・・お酒なの?」 「そ」 あたしが飲み残したものをメグが口に含み、そのまま口付けてくる。 「んッ!?」 甘く生暖かい液体が流れ込んでくる。 メグが口を離してくれないから、そのまま飲み込む。 あたしが飲み込んだのを確認して、やっとメグが唇を離してくれる。 「ちょ・・・ メグ? や、やめて・・・? あたし、お酒とか・・・ 飲んだこと、ない・・・ ンッ!?」 また甘い液体を注ぎ込まれる。 何度もそんなことを繰り返された。 「ど?」 ど、どうって・・・ 「・・・な、なんか・・・ 熱い・・・よ・・・」 アルコールが回ってきたのか、身体全体がだるい。 四肢が筋肉痛になったように痺れていて、軽く目眩も・・・ そんなあたしを見下ろして、メグが小さく笑う。 そして、そのままあたしの首筋に唇を落としてきた。 「あ・・・ はぁ・・・」 メグの唇の動きに、また身体が反応する。 な、なんだろう・・・ お酒のせいなのかな・・・ 身体が熱くてたまらない・・・ 「あ、ん・・・」 まだ首筋にキスされているだけなのに、身体がチリチリと焼けるように熱くなってる。 メグが耳たぶを甘噛みしてくる。 そのまま溜息まで流し込まれて・・・ 「や・・・ はぁ、ンッ」 たったそれだけで、吐息が漏れる。 「・・・・・やっぱ、感じてんだ? これだけで」 「う・・・ん」 いつもだったら、 「違うッ!」 って否定するのに、なに肯いちゃってんの・・・ あたし・・・ ・・・・・やっぱりあたし・・・ メグが言うとおり、エロくなってるのかもしれない・・・ っていうか、なんか頭がぼーっとしてて、なにも考えられない・・・ ただ・・・ メグともっと触れ合いたいって・・・ それ以外、なにも考えられない・・・ 不意に、メグがあたしから離れる。 「・・・メ、メグ・・・?」 メグは、さっきあたしの髪を包んでいたタオルを手にして、 「・・・・・お仕置き開始」 と呟くと、あっという間にあたしの両手を背中に回してタオルで縛り上げてしまった。 両手の自由を奪われて、途端に不安になる。 「メ、メグ・・・? 何するの・・・? きゃ・・・ッ」 起き上がろうとしたらその肩を押され、あたしはまたベッドに倒れた。 「言っただろ? ・・・お仕置きするって」 ちょっとだけ笑って、メグがあたしに唇を寄せてきた。 「お仕置きって・・・ ンッ!」 メグの唇があたしの言葉を遮る。 すぐに唇を割って、メグの舌があたしの口内を犯す。 呼吸が苦しくなるぐらい口付けたあと、顎、首筋・・・と唇を移動させるメグ。 「あ・・・ はぁっ はっ!」 胸の先にもキスを落とされ、背筋に甘い痺れが走る。 そのままそこにたくさんキスしてもらえると思っていたら、メグは唇でその先に軽く触れただけで、すぐにそれを移動させてしまった。 「メ、メグ・・・」 ・・・ど、どうして、もっと触ってくれないの・・・? って、こんなこと思うあたしって・・・ ホントにやらしい・・・ 「ンッ・・・」 メグの唇が、おへそを通過して、だんだん下腹部に移動していく。 膝を割られ、そのまま立てさせられた。 すごく恥ずかしかったけど・・・ でも、これからしてもらえることを考えて・・・ 我慢した。 「あ・・・ はぁ・・・ッ」 メグの唇が、あたしの足の付け根辺りに近づいただけで・・・吐息が漏れる。 さっきされたことを思い出して・・・ 身体が疼く。 ・・・けど、あたしの期待に反して、メグの唇は太腿の方へと流れていく。 「・・・メグ・・・?」 メグが顔を上げる。 「そんなモノ欲しそうな顔すんなよ。 ホント、エロいね?」 「い・・・ イジワル、しないでよ・・・ あっ! あぁッ!!」 急にそこに刺激を与えられ、弾かれたように背中が反る。 「や・・・ いやっ! あぁんッ!!」 ずっとメグを待っていたあたしの身体が、驚くほど反応する。 自分でも分かるくらい・・・ 身体の中心から熱いものが溶け出す。 その溶け出したものを、音を立ててメグが口にする。 手で押し広げるようにして、メグがそこに舌を這わす。 「はぁ、んっ! メグ・・・ッ! き、もち・・・ い・・・ンッ!」 どんどん白濁していく頭。 でも、そんな自分のセリフだけはやけにクリアに脳に届いて、またそんなことを言ってしまっている自分に嫌気がさすと同時に・・・ 余計昂ぶってしまうあたし・・・ 「エロ」 メグにそう言われても、どうすることも出来ないくらい感じてる・・・ 「あ・・・ あ、あんッ!」 また、高みに向かって走り出すあたしの身体・・・ 何かにしがみついてないといられないほどの快感が、下半身から駆け上がってくる。 でも、両手の自由を奪われて、メグにしがみつくことも、シーツを握りしめることすら許されない。 そんな状況までもが、あたしを高みに持ち上げる。 身体中の熱が集まり始める・・・ 気が狂いそうなほどの快感が押し寄せてくる・・・ 「メ・・・グ・・・ あ・・・ぁッ」 あたし・・・ もう・・・ イ・・・・・ 膨らんだ熱がはじける直前―――・・・・・ また、メグがあたしから身体を離した。 「やっ!? やだぁっ!!」 「なにが」 再び襲われた、気が狂いそうなほどの焦燥感に、思わず身体が震える。 ・・・・こんなところで・・・ やめないで・・・ 「なにがイヤなんだよ」 「・・・・めちゃ・・・ ヤダ・・・」 「あぁ? 聞こえねー」 「や、やめちゃ・・・ やだ」 メグが目を細めてあたしを見下ろす。 「・・・エロ」 エロくたってなんだっていい・・・ このじれったいほどの・・・気が狂いそうなほどの焦燥感を満たしてくれるなら、なんだってする。 「・・・そんなにして欲しいんだ?」 即座に頷く。 「・・・じゃ、自分ですれば?」 「え・・・」 「手、解いてやるから。 自分でしろよ」 そう言いながらあたしの両手を縛っていたタオルを解く。 「・・・メ、メグ・・・? 冗談・・・でしょ?」 「こんなことで冗談言ってどうすんの?」 またソフトに笑うメグ。「オレは見てるから。 自分でして?」 「やだ・・・ やだよ・・・ メグ・・・」 思わず、自由になった両手で自分の身体を抱きしめる。 抱きしめた拍子に、自分の腕が胸の先に当たって・・・ 「あ、ああんっ!」 昂ぶっていた身体には、それすらたまらない刺激になる。 「どこ触ってんの? そこじゃねーだろ?」 メグがあたしの身体から腕を引き剥がす。「こっち」 「やだ・・・ メグ・・・ やめて・・・」 「やだ、じゃねーだろ? イキてーんだろ?」 あたしの手が、下腹部に導かれる。 「やだ・・・ ホントにやめて・・・」 メグに導かれるまま、自分の足の付け根辺りに手を持っていかれた。 抵抗したいのに、腕に力が入らない。 メグがあたしの指に自分の指を添える。 「ホラ・・・」 「や、やめて・・・・・・ ンッ! あ、あんッ!」 あたしの意思なんか全く関係なく、刺激を待ち焦がれていたそこが震える。 自分の指でそれが分かって、消えたくなるぐらいの羞恥心があたしを襲う。 「イヤ・・・ イヤ・・・ッ! あぁんっ!」 メグの手を振り払ってやめたいのに・・・ こんな恥ずかしいところ、絶対見られたくないのに・・・ メグに導かれるまま指を動かすあたし・・・ 「あっ、はぁ、はっ! んあっ、あぁっ!」 「・・・手、離すよ?」 「あっ、はぁ、はぁ・・・」 メグがあたしの手からゆっくりと自分の手を離す。 「あ・・・ あ、あぁ・・・ッ!!」 「・・・・・やっぱ、自分で出来んじゃん」 「い・・・ いやぁっ!」 もう、何もあたしを強いるものはないのに・・・ 早くこんな恥ずかしいことやめたいのに・・・ 「・・・つか、やっぱお前、エロいね?」 「あぁんッ!」 メグがちょっと目を細めてあたしを見下ろす。 きっと、メグは呆れてる・・・ 自分でこんな行為をするあたしに絶対幻滅してる・・・ なのに・・・・・ 「あっ、あぁっ! あ、んっ!」 どうしても止められない・・・ 恥ずかしいとか。 メグに呆れられるとか。 そんなこと、今はどうでもよかった。 早く・・・ とにかく早くこの焦燥感を解消できればそれでよかった―――・・・ |
To be continued・・・ |