パーフェ☆ラ 第6章

F バーサス!


試合時間が迫っても桜台の方がざわついている。
・・・・・矢嶋がまだ来ていないらしい。
もしかして、真由に会ってるとか・・・・・?
・・・かもしれない。

―――真由と矢嶋が付き合い始めた。

はじめは信じられなかった。
何かの間違いだろうと思った。
確かに真由と揉めて、
「別れよう」
とは言った。
けれど、オレはそれをいつものケンカと同じレベルに考えていた。
自分に余裕がなかった、忙しかったというのを理由にして、真由の気持ちを解ろうともしないで、
「何が言いたいんだよ? オレはどーすればいいんだよっ!?」
なんてキレて・・・
挙句の果てには、
―――別れよう・・・・・
これを真由がいつものケンカと思えなくても、仕方ない。
オレは別れたつもりはなかったけど、真由はそうじゃなかったんだ・・・・・
それに気が付いたのは、真由と揉めてから2週間ほど過ぎた頃だった。
部活から帰ってきたオレに、母親が、
「そう言えば、お隣の真由ちゃん。 彼氏いたのね」
といきなり振ってきた。
思わず飲んでいた牛乳を吹き出すところだった。
実はオレたちのことを、まだお互いの親には内緒にしていた。
オレがずっと前に、真由の母親に余計なウソをついたせいもあるけど、やっぱり小さい頃から一緒だった幼なじみとくっついた・・・なんて知られるのが恥ずかしかった。
当然オレの両親も真由のことは良く知ってるし・・・・・
でも、真由に彼氏って・・・・・
ま、まさか、バレたのか? オレたちのこと? ・・・でも、いつ?
最近真由の家庭教師もテスト前だけだし、ちょうど・・・というか、今は揉めている最中だから、ベランダで話すこともしていないし・・・・・
もしかして、もっと前からバレてたのか・・・・・?
オレは真由と別れたなんて思っていなかったから、母親が、
「真由ちゃんに彼氏が・・・」
って言い出しても、それは当然オレのことだと思った。
オレが焦る頭で、なんて言い訳しようか考えていたら、母親がさらに衝撃的なことを言い出した。
「今日の夕方、商店街で買い物してたら偶然見ちゃったのよね。 手繋いで歩いてるところ」
「―――・・・え?」
一瞬何のことだか分からなかった。
今日の夕方?
手を繋いで?
真由が・・・ 彼氏と?
―――いや、そんなことはありえない。
だって、オレはさっきまで部活だったし、だから真由と手なんか繋げるわけがないし・・・・・
絶対母親の見間違いだ。 それは真由じゃない。
「・・・・・誰?」
でもオレは、無意識にそう母親に聞いていた。
「さあ? お母さんが知ってるわけないじゃない。 ・・・背の高い子だったわよ? 恵くらいあったんじゃないかしら」
・・・・・ま、さか・・・
血管が大きく脈打つ。
そんなオレの様子に気付かない母親は、笑いながら、
「今どきの子って感じだったわね。 髪なんか染めてたし」
―――――― 矢嶋だ。
でも・・・ なんで真由・・・・・ 矢嶋なんかと一緒に・・・?
そのあとも母親は何か話していたみたいだったけど、オレの耳には全然入ってこなかった。
真由が矢嶋と・・・・・
なんでっ!?
まさかオレがこの前、別れようって言ったのを本気にしたのか?
確かに今までそんなこと言ったことなかったけど、あんなの勢いで言っただけだし、あれぐらいのケンカ今までだってしたことあったろ?
真由に確認すればいい。
「お前、矢嶋と付き合ってんのか? ・・・つーか、なに手なんか繋いでんだよっ!」
って問い詰めればいい。
―――けれど。
いつ、どうやってそう確認していいのか分からなかった。
オレは本気じゃなかったけど・・・ でも、結局は真由に、
「別れよう」
って言ったのはオレの方だ。 真由がオレとはダメになったと考えても真由を責めることは出来ない。
なのに、
「お前、矢嶋と付き合ってんのか?」
って・・・・・ 何様なんだよ、オレは・・・
そんな思いから、なかなか真由に声をかけられずに、また何日か過ぎてしまったある週末。
「ちょっと体育館行ってくる」
とオレは久しぶりに隣駅の市営体育館に出かけた。 
真由と揉める前は、週末ごとに2人で出かけたりしていた。
って言っても、せいぜい真由の買い物に付き合うとか、勉強と称して、真由の部屋で2人で話してるとか、そんな程度だ。 ・・・それでもオレには至福の時間だったけれど。
だから、この体育館に来るのは久しぶりだった。
ここは各種スポーツをしたい人たちに、体育館を開放している日がある。
バレー開放の日はコートにネットが張ってあって、そこで自由にバレーボールをやっていいし、卓球開放の日は台が出してある。
そして今日はバスケ開放の日だった。
普段は天井に吊り上げられているバスケットゴールが下ろされていて、誰でも自由にバスケをすることが出来る。
背を高くしたいから始めたバスケだったけど、オレはバスケが好きだった。
試合展開が早いところ、点が取りやすく最後の最後までゴールを狙えるところが好きだった。
競技人口は割りといるのに、サッカーやバレーほどメディアに取り上げられていないせいで、イマイチ感が否めないのが残念だ。
前に真由も、
「もうバスケバスケって・・・ そんなに面白い?」
とか・・・ オレが休日に部活があって会えないときにふくれて言ったことがあった。
部長だから行かなきゃならないっていうのもあったけど、やっぱりバスケが好きだったから、
「うん。 面白い」
と言ったら、
「じゃ、今度見に行ってみようかな〜? 練習とか? メグが部長やってるところも見たいし」
なんて言われた。
真由はまだオレの試合を見たことがなかった。 地区予選のときは追試でダメだったし・・・
でも、練習を見に来られるのは困る。
マネージャーの早坂と揉めるのは必至だし、部員に冷やかされたりしそうだし・・・
そんなんじゃ後輩に指導どころじゃない。 だからオレが、
「練習のジャマだから、来るな!」
と言ったら、また真由は頬を膨らまして、
「・・・・・バスケ嫌い!」
「あ?」
「だって、メグ・・・ あたしよりバスケの方が好きだもん」
なんて・・・
あのときは、かわいいコト言ってんじゃん・・・なんて思ってたけど。
・・・結局は真由に試合を見せることも、バスケの面白さも教えてやることも出来なかったな・・・
そんな事を思いながら館内に入ろうとしたら、ボールの弾む音が聞こえた。
・・・・・珍しいな。 こんな時間に来てるヤツがいるなんて・・・
いつも昼を過ぎてからじゃないとあまり人は来ない。
だから、午前中だったら誰に気兼ねなく利用できると思って来たんだけど・・・
ま、いっか・・・と思いながらボールを持って扉を開けようとして・・・ 身体が凍りついた。

・・・・・真由と矢嶋がいる。

2人は楽しそうにボールを追っていた。
真由がゴールのすぐそばでボールを構え、それに矢嶋が何か話しかけている。
どうやらシュートの仕方を教えているみたいだった。
真由がボールを投げ、それがリングに当たって落ちる。
真由は最初頬を膨らましていたけど、すぐそばで矢嶋が笑い転げていたら、つられて真由も笑い出した。
呼吸が上手く出来なかった。
見たくないのに、目がそらせなかった。
オレが真由に教えてやれなかったバスケを・・・
オレが好きなバスケを、オレの大好きな真由が・・・・・
――― 矢嶋と一緒にしている・・・
そう思ったら、頭がガンガンしてきた。
ボールを弾ませる矢嶋を、真由が追いかける。
それをすぐにかわしたりしないで、ボールを追わせる矢嶋・・・
真由にバスケの面白さを教えてやれなかった、なんて思っていたけど・・・
こうやって矢嶋みたいに一緒にやってやれば良かったんだ。
オレはパーフェクトになったつもりで、実は全然そうじゃなかった。
身長も成績も伸びたし、運動だってそれなりにこなせるようになった。
真由の理想に・・・ パーフェクトに近づいた気になっていた。
・・・けれど。
―――好きな女に何ひとつ与えてやることは出来なかった。
それどころか、不安にさせてその気持ちを分かろうともしないで、
「メグの彼女でいるの、つらいんだよ・・・」
とまで言わせて・・・・・
―――認めたくない。 認めたくないけど・・・
真由にはオレよりも・・・・・ 矢嶋の方が合う。
オレと一緒にいたって、真由は絶対幸せになんかなれない。

―――真由の幸せはオレのそばじゃなく、矢嶋のそばにこそあったんだ・・・・・


それからは諦めがついたのか・・・ オレは前ほど焦らなくなった。
ただ、やっぱり現実を受け入れるには時間がかかりそうで・・・、真由の顔を見るのはまだ、つらい。
だから学校でも出来るだけ真由を避けるようにした。
・・・って、もともと、
「別れよう」
って言ってからは、真由からも避けられていたけど・・・・・
そんな日を過ごしている間に文化祭当日になった。
部の方があったからクラスの方にはあんまり参加しない予定だったけど、それでもときどき覗きに行ったときには、つい目が真由の姿を探してしまう・・・
何やってんだかな、オレは・・・
「真由なら写真部の方行ってるよ」
振り返ったら成田が立っていた。
オレたちが別れたことをまだ誰も知らなかったみたいだから、
「あ、そう」
とテキトーに流そうとしたら、
「なんかさぁ、お前らどーなってんの? つか、あたしが原因みたいでスゲーやなんだけど?」
「・・・は?」
「なんか真由・・・ あたしと千葉が製作班で一緒だったの気にしてたみてーだぞ? 仲がいいとか・・・」
成田の話を聞いて、やっと真由がおかしかった原因が分かった。
まぁ・・・ 今さら分かったって遅いけど。
ていうか、逆にそれで良かったのかもしれない。
あのままオレと付き合っていたら、真由は幸せにはなれないままだったんだから。
あのことがきっかけで・・・ 真由は矢嶋のところに行けたんだから。
だから、きっとあれで良かったんだ―――・・・

「千葉くん? なんか桜台の方メンバーが1人来てないみたいなのよね」
タイムキーパーをしてくれる恭子が、ちょっと不安そうな顔をする。
「ああ。 時間まで待つけど、来なかったらベンチから出てもらえばいい」
「そうだね」
と恭子は言ったあと、館内を見渡して、
「真由は? 見に来ないの?」
とオレに振ってきた。
「・・・・・さあ。 どうかな」
矢嶋が試合時間までに来れば真由も来るだろうし、矢嶋が来なければ来ないだろう。
そんなことを考えながらシューズの紐を直していたら、
「すみませんっ!」
と桜台のキャプテンと・・・ 矢嶋がオレのところにやってきた。
来たのか・・・・・ じゃ、真由も・・・?
と一瞬館内を見渡しそうになり、寸前で我慢する。
「すみません、お騒がせして・・・」
「いえ」
オレは矢嶋の方を見ないで、桜台のキャプテンに向かって軽く肯いた。
そのままさっさと試合を始めようとしたら、キャプテンの方が、
「なんか、ちょっと保健室に行ってたらしくて・・・ それで遅れちゃいまして・・・」
と矢嶋の遅れた言い訳を始めた。
「・・・保健室?」
そう言われて思わず矢嶋の身体に視線を走らせる。
怪我もしてないし・・・ 体調でも悪いのか?
そのオレの視線に気付いたキャプテンが、
「いや、こいつじゃなくて、怪我した子を保健室に連れてってたみたいで・・・」
と言いかけたら、
「余計なこと言ってんじゃねーよ」
と矢嶋がキャプテンを蹴った。
―――遠い昔の記憶が蘇る。
小学校5年のとき。
窪田たちが真由の胸を見ようとして、それに頭にきたオレと矢嶋が窪田たちを殴ったことがあった。
それで教師に絞られたとき、思わず真由のことを話しそうになった窪田の足を矢嶋が蹴った・・・・・
矢嶋はあのときと同じ目をしている。
「とにかくすみません。 今すぐ準備しますんでっ」
キャプテンは頭を下げてベンチの方に戻って行った。
・・・なのに、矢嶋はまだオレの目の前に立っている。
「・・・・・・なんだよ?」
椅子に座ったまま矢嶋を見上げた。 矢嶋もオレを見下ろして、
「お前がなんで市川に別れようなんて言ったのか知らねえし、興味もねぇ」
「あ?」
「けど、多分・・・」
矢嶋はそこでいったん言葉を切った。
「・・・なんだよ?」
「・・・けど、多分・・・ 市川はまだお前のことが好きなんだと思う」
真由が・・・・・? こんなオレを・・・まだ・・・?
しかも、それを矢嶋がオレに言うって・・・・・ 一体、なんなんだ?
矢嶋が何の話をしたいのか分からない。 黙って矢嶋を睨みつけた。
「今はオレが無理矢理付き合わせてるようなもんだ。 ・・・・・どーせお前だって、まだ市川が好きなんだろ?」
・・・確かに、オレはまだ真由のことが好きだ。
もしかしたら、真由も・・・ 矢嶋が言うとおり、オレのことを好きでいてくれてるのかもしれない。
だけど、それがどうしたっていうんだ・・・
もうオレは知ってしまった。
―――真由の幸せがオレのそばじゃない、別なところにあるということを。
「・・・・・だったらなんだよ?」
・・・・・無性に腹が立ってきた。
今、目の前のこいつを思い切りぶん殴りたい!!
「オレ・・・ 今までずっと市川のこと好きだったけど、市川は千葉が好きなんだって知ってたから諦めてた。 前に告ったときだって・・・気持ちにウソはないけど、どっかフラれんの覚悟してたっつうか・・・ だから笑って冗談ぽく出来た」
・・・何が言いてーんだよ・・・
さっさとあっち行けよっ!!
じゃねーと・・・ オレ・・・
「けど、今日ほど市川を欲しいと思ったことはない」
「ぁあ?」
「・・・だからわりーけど、お前には返さない」
矢嶋がいつになく挑戦的な目でオレを見る。
「市川はお前のことが好きだって知ってるけど・・・ でも、市川はオレのものにする!」
・・・・・ふざけたこと言ってんじゃねーよ! とっくに自分のものにしてんだろっ!?
なのに、わざわざそんなこと・・・・・
「・・・真由は?」
「試合は見に来なくていいっつっといたけど・・・ あいつのことだから、そのうち気になって見に来んじゃね?」
矢嶋は笑顔を作って、「・・・だとしたら、初めて試合見てもらえんだよな、オレ。 ゼッテー負けらんねーな」
「・・・ざけんなよ」
オレが我慢できなくてそう言ったら、矢嶋はますます笑いながら、
「つーわけで、この試合はもらうからな? ・・・真由も」
―――・・・真由、だと?
矢嶋は笑いながらベンチに戻って行った。
「〜〜〜クソッ!」
シューズで思い切り床を蹴った。
絶対負けられない。 ―――何が何でも勝ってやる!

「ディフェンスファウル! カウント、ワンスロー!」
体育館はそこそこ入ったギャラリーで、歓声に包まれていた。
矢嶋がフリースローラインに立ち、2、3度弾ませたあと投げたボールが、当然のようにバスケットに吸い込まれる。
また歓声が上がった。
涼が息を弾ませながら、
「なんか、今日やべーくれーに決まるよな。 あの8番」
と矢嶋を振り返る。
「感心してる場合かよっ! お前、なにバスカン取られてんだよ!? どーせファウル取られるならちゃんと止めろよっ!」
オレがいつになくそう怒鳴ったら、涼はちょっと驚いた顔をしたあと、悪い、と小さく呟いてフロントコートに戻って行った。
元々、矢嶋のシュート力はチーム1だ。
フリースローを外しているところなんか、全くと言っていいほど見たことがない。
・・・けど、今日の矢嶋はおかしい。
涼が言うとおり怖いくらいにシュートが決まっている。
ウチもベストメンバーだし、みんな体調だっていいからスコア自体は交互に上がっている。
けれど、矢嶋が神懸り的に調子が良すぎる分、若干だけど総武が押され気味になっている。
笛の音が鳴り、第3クォーターが終了した。
「涼、お前入ってくんの遅い。 それから、お前は無理にゴール狙うな。無理だと思ったらすぐオレにボール返せ」
短いインターバルの間に涼や他の選手に指示を出した。
「おいおい・・・ これ公式戦じゃなくてただの招待試合だろ? お祭りみてーなもんじゃねーか。 何ムキになってんだよ? さっきだって、フリースローの2本目ワザと外すからリバウンド入れろとか・・・ 無理だろっ!?」
お祭りなんかじゃない。 無理なことだってやってもらう。
―――オレにとっては男をかけたゲームなんだから。
そんなことを涼と話していたら、ギャラリーの隅に真由の姿を見つけた。
体育館にはバスケットコートが2面ある。
試合はその片方だけで行われていて、もう1面はギャラリーに開放してあった。
そのギャラリーの端の方に真由が立っている。
いつの間に来たんだろう・・・
と考えかけて、真由のその姿に驚く。
―――膝に大きなガーゼが貼られている。
どうしたんだ? やっぱり、さっき矢嶋が保健室に連れて行ったのって真由だったのか・・・
でも、その怪我・・・
と心配していたら、その真由に矢嶋が小走りに近づいて行った。 ちょっと屈むような姿勢で真由の膝を気にしている。
真由は少し笑いながら顔の前で手を振っている。
・・・思わず顔をそらした。
「・・・何? あの2人知り合い?」
涼に聞かれたけど、ちょうどインターバルが終わる笛が鳴ったから無視した。
やっぱり矢嶋はガンガンシュートを決めてくる。 総武も追ってはいるけど、だんだん点差が開いてきた。
総武が放ったシュートが決まらなくて、桜台にリバウンドを取られた。
「矢嶋ッ!」
すぐにボールをバックコートに投げられた。 と同時にオレも走った。
矢嶋がボールを受けながら視線をオレに走らせた。
ボールを持つ矢嶋とゴールの間にはオレしかいない。
矢嶋はゴール下まで来るとフェイクをかけ、ボールを持って飛び上がった。 オレもほぼ同時に飛び上がる。
そのままブロックしようとしたら、矢嶋はさらにフェイクを入れてきた。
ダブルクラッチ・・・!?
と思ったときには、すでに矢嶋の手からボールは放たれていた。
「っ!?」
目の前の矢嶋が体制を崩して床に落ちそのまま倒れる。 その上に・・・ オレも重力に逆らえずに落ちる。
このままの勢いで矢嶋の上に落ちたら・・・ 危ないっ!
矢嶋を踏まないように避けた拍子に、おかしな角度で足に体重がかかってしまい・・・
直後、足首に激痛が走った。

オレもそのまま床に倒れこんでしまった―――・・・


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