be mad for Love  #4


慌ててウチに飛び込み、洗面所に駆け込んだ。
―――どうしよう・・・
どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・
まさか、あんなところにメグがいるなんて思わなかった・・・
一体いつから?
あたしあのとき、何してた? どんな会話をヤジマとしてた?
メグは何を見て、何を聞いたんだろう・・・・・・

不安で不安で吐きそうになった。


「明日、ウチ来いよ」
昨日メグにそう言われたとき、ドキドキしたけど嬉しかった。
お隣さんで幼なじみだったメグと恋人同士になってから、2人きりで会うのはいつもあたしの部屋だった。
家庭教師をしてもらってるからっていうのもあるけど、メグんちには大抵メグのお母さんがいるから。
ウチだって普段はお母さんがいるけど、そのお母さんも月に2回、単身赴任しているお父さんのところに泊まりに行くことがあって、そのときに・・・メグが・・・・・・ 来ている。
メグとはずっとじれったいような、ときにはイライラするような関係だったんだけど・・・・・
あたしの誕生日に、やっと恋人同士になれた。
メグは、学校じゃ、
「千葉くんて優しいよね〜♪」
なんて女子に騒がれてるけど、あたしには結構オレ様だったりする。
しかも、普段はすましてるくせに、2人きりになったらエロ全開で迫ってくる事もあったりして・・・
でも、
「も、もうッ! メグってケッコーエロいよねっ!!」
なんて言いながら、メグと・・・その・・・・・・ エ、エッチをするのはキライじゃない。
初めの頃は痛くて痛くて我慢してしてた。
でも、いつもあたしに対してはオレ様なメグが、エッチのときだけはすっごく優しいから、嬉しくて何回かしてるうちに・・・・・・ ちょ、ちょと・・・慣れて? きたみたい・・・
慣れてきたどころか・・・・・・・
―――あたしはメグに、今まで知らなかった感覚を覚えさせられてしまった。
まるで身体が浮くような、全身が蕩けだしそうな・・・ そんな感覚。
頭の中が真っ白になって、もうメグのことしか・・・ あたしの身体を支配するメグの動きに身を委ねるしか出来ないあたし。
恥ずかしくて他の子に聞いたことがないから、アレがそうなのか・・・本当のところは良く分からないけれど・・・
でも、多分アレが・・・・・・ 快感、なんだと思う。
体温が急上昇して、身体の中心に熱がこもって・・・ そして、ある一点を越すとそれが一気に弾ける感じ・・・
・・・・・あたし、絶対メグにモードチェンジされてる。
メグなしじゃ生きていけない身体にされてしまっている。
だから、メグから、
「明日、ウチ来いよ」
って言われたとき、
「も、もう、メグは〜〜〜ッ!!」
なんて言いながら・・・・・ あたし、ちょっと期待してた。
「5時頃だったら帰ってきてるから、それぐらいにおいで」
夏休みっていってもメグは部活があるから、メグんちに行くのは夕方。
せっかくお母さんたちいなくて、気兼ねなくイチャイチャできると思ってたんだけど・・・
夕方になるのを今か今かと待っていたら、4時半過ぎごろになって、玄関の外に人の気配を感じた。
メグ!? もう帰ってきたの?
慌てて靴を履いてメグんちに行こうとしたら、玄関の外から人の声が聞こえた。
ちょっと言い争うような・・・ 女の人の声が聞こえる。
・・・・・・誰だろう?
そう思ってドアスコープからそっと覗いてみたら・・・
メグんちのドアの前で、メグと・・・メグが部長をしているバスケ部の女子マネ早坂がいた。
な、なんで、早坂がいんのっ!?
早坂はちょっと興奮した感じでメグに詰め寄っている。 それを、ちょっと困ったような顔で笑いながらメグが何か返している。
何か話しているのは分かるんだけど、話の内容までは全然聞き取れなかった。
そのうち、急に早坂がメグの肩に手をかけ、伸び上がるようにしてメグにキスをした!
心臓が大きく跳ね上がった。
メ、メグ・・・ なに、してるの・・・?
見たくないのに、ドアスコープから目が離せない。
メグが早坂の肩を掴んでその身体を離す。 また2人で何か話している。
そのうち、一瞬だけメグが視線を上にあげ、早坂の腕を引っ張るようにして2人でメグんちに入って行ってしまった・・・・・
な、なに・・・・・?
あたしはドアの前にしゃがみこんだ。
今・・・ メグが早坂の腕引っ張って、メグんち入ってったよね・・・?
どー、ゆうこと?
ってゆーか、その前に・・・キス・・・・・
ううんっ! 何かの間違いだよッ!!
メグはあたしのコトが好きなんだしッ!! そう言ってくれたしッ!!
・・・・・・って・・・
でも、よく考えたら、メグってエッチのときくらいしか、好きって言ってくれないよ、ね・・・?
あたし以外の女子には、すごく優しいのに・・・
・・・・・なんで?
また胸に不安なものがムクムクと湧いてきたのを感じた。
メグと付き合うようになってから、それはたびたび感じていたことだった。
メグは、学年でもトップクラスの頭の良さだし、バスケ部の部長もやってるくらいスポーツも出来るし、背も高いし、顔だってカッコいいし・・・
とにかく、どこを見てもパーフェクトで文句のつけどころがない。
それに比べて、あたしは勉強は出来ないし、スポーツや容姿は十人並みだし・・・
メグは、こんなあたしのどこを好きになったんだろ? もっと可愛い女子、いっぱいいるよね?
小さい頃から一緒にいるから? その惰性でなんとなく付き合ってるとか?
メグがあたしと付き合うメリットってなんだろう・・・
・・・・・家が隣だから、都合がいい?
いつでも、会いたいときには会えるし・・・・・・
―――・・・エ、エッチしたくなったら、すぐ出来るし・・・?
なんて、ネガティブなことばっかり考えてしまう・・・・・
気が付いたらウチを飛び出して、フラフラと街を歩いていた。
―――あたしはずっとメグだけが好きだったけど、メグはどうなんだろう・・・?
エッチだって、あたしはメグが初めてだけど、メグは・・・?
初めてにしては・・・慣れてた感じだよね?
やっぱり・・・ 経験あった?
あっても不思議じゃないよね・・・ メグカッコいいし・・・
・・・・・・っていうか・・・ 今は?
あたしだけで満足してる? 
「あいつ、いつまでたってもセックス下手だしな」
とか思われてたり・・・・・
だから早坂と・・・・・・
そんな不安で、胸が潰れそうになりながらあてもなく歩いているときに・・・・・・ ヤジマに会った。
ヤジマは小学校の頃の、あたしたちの同級生だった。
そのヤジマと・・・・・・
あたし、なにしちゃったんだろう・・・
メグと早坂のことがあって、精神的に不安定になっていたせいもあるかもしれない。
ヤジマがあたしのコトを好きだっていうのも分かってた。
いつもはもっとふざけた感じなのに、あのときは・・・ヤジマの瞳が真剣すぎて目が離せなかった。
完全に拒否できなかった。
「市川が好きだ」
ってヤジマがストレートな気持ちをあたしにぶつけてくる。 その想いのまま、あたしを力強く抱きしめる。
・・・・・気付いたら、あたしはヤジマの前に肌を晒してしまっていた。
慌てて抵抗しようとしたけど、ヤジマの力が強くてかなわなかった。
―――・・・って・・・
・・・・・あたし、本当に抵抗しようとしてた?
「やっぱ、感じてんじゃねーか」
ってヤジマが言うとおり、あたし、ヤジマのこと・・・・・ 受け入れてたんじゃない?
ヤジマの唇があたしの肌を這うたびに・・・
ヤジマの指があたしの全身を這うたびに・・・
あたしの身体は悦んでたんじゃない?
叩きつけるような雨の中。 公園の築山で。 あたしもヤジマもびしょ濡れで・・・
メグがいるのに・・・っていう、背徳感。
「好き」
と繰り返し、全身であたしを求めるヤジマ。
そんなのが全てミックスされて、あたしの気持ちを高揚させていたのは・・・確か。
「つーかさ、オレと千葉とどっちがいい? オレの方がいーだろ?」
ってヤジマに言われたとき・・・ あたし、余計に感じてた。
「バカッ!」
ってヤジマのこと睨みつけながら、すごく感じてた。
メグがあたしにしてくれるコトとは明らかに違う刺激に・・・
そんなことを言われて比べてしまっている、より感じてしまっている自分がイヤになった。
吐き気がするほど、自分が嫌いになった。
なのに、身体はこれ以上ないくらい興奮してしまっている。
恥ずかしさや、情けなさ、自己嫌悪・・・そんなのを隠すために、そんなことを聞いてきたヤジマのせいにして、ヤジマを怒鳴りつけた。
「ゴメン・・・」
ヤジマが素直に謝ってきた。
すがるような目であたしを見つめるヤジマ・・・
ホントはヤジマだけが悪いんじゃないのに・・・ 結局、あたしだって受け入れて、悦んでしまっているのに・・・
―――・・・結局、ヤジマとの行為で、バカみたいに感じちゃってたあたし・・・
ホント、サイテー・・・・・

だから、コレは罰なのかもしれない。
吐き気はあるのに胃の中に何も入っていないから、胃液だけが上がってきて喉が焼けるように痛い。
って、こんな吐き気くらいで許されるとは思っていないけど・・・・・
吐き気が治まらないまま、濡れた服を脱いだ。
胸に視線を落としたら、その二つのふくらみの間にヤジマの跡が残っていた。
そこをそっと指先でなぞる。
・・・・・ゴメンね、ヤジマ。
あたし、あんたのこと利用してたのかもしれない。
メグの事で不安になってどうしようもないときに、優しいヤジマが現れて・・・
すがりたくなったのかもしれない。
「市川ッ!!」
階段のところで、切ない すがるようなヤジマの視線を受けながら、それを振り払うようにしてヤジマの前から逃げた。
本当に自分勝手だって分かってる。
けど、やっぱりあのことはなかったことにした方がいい。
あたしもヤジマも・・・ その方がいいに決まってる。
そのままバスルームに入ろうとしたら、カバンの中のケータイが鳴った。 表示を見たら・・・ヤジマ。
一瞬迷ったあと、黙って通話ボタンを押した。
『市川・・・ オレ、ちゃんと話したい』
「ゴメン・・・ あたしが悪かったの。 ヤジマにも迷惑かけちゃったけど・・・ アレは・・・ なかっ・・・」
『オレ、なかったことになんか出来ねーよ! したくねぇッ!』
「でも・・・」
『・・・好きなんだ・・・ 市川が好きなんだよ・・・』
ヤジマの切羽詰った声に、胸がきゅっとなる。
「・・・なんで? なんでそんなに好きって言うの? あたし、こんなにサイテーなのに・・・」
『好きだから・・・ 好きなのに好きって言っちゃ、ダメなのか?』
ヤジマの切なさが伝わってきて、言葉に詰まる。
好きだから好きって言う・・・
そんな簡単なことが、あたしとメグには出来ないでいる。
お互い素直じゃないから、いつもケンカ腰になってしまう・・・
だから、感情をストレートに言葉に出来るヤジマに憧れた。
『・・・・・もしかして、そこに千葉・・・いんの?』
「え・・・ いない、けど・・・」
『じゃ、今すぐ出て来いよ』
「え? ・・・・・そ、そんなの、無理だよ・・・」
あとで行くってメグに言われてるし・・・
『いーから、出て来いよっ! オレんとこ来いよっ!』
「ヤ、ヤジマ・・・? そんな・・・・・・ ッ!?」
そこまで話したところで、急にケータイを取り上げられた。
「・・・・・何やってんの? そんな格好でいたら風邪引くだろ?」
驚いて振り返ったら、メグが背後に立っていた。
「や、やだッ!」
服を脱いでいたあたしは、慌ててそばにあったタオルで身体を隠した。
一体いつの間に・・・ っていうか、あたし家のカギかけてなかったんだ・・・
「ビ、ビックリするじゃんっ!」
あたしの抗議を聞きもしないで、メグは、
「・・・誰と話してた?」
と閉じたケータイを、あたしが脱いだ服の上に放り投げた。
「だ、誰って・・・」
あたしが言い淀んでいたら、
「ま、いっか」
メグはどうでもいいことのように呟いて、タオルから出たあたしの肩に触れた。
「・・・まだシャワー浴びてないのか?」
「う、うん・・・ これから・・・」
あたしがオドオドしながらそう答えたら、メグはソフトに笑って、
「んじゃ、洗ってやる」
「えっ!? い、いいよッ!! 自分で出来るしッ!!」
「遠慮すんなよ」
メグは笑いながら着ていた服を脱ぎ始める。
「ちょっ!? な、何脱いでんのっ!? ホントにあたし・・・ きゃっ!」
急にメグに肩を抱き寄せられた。 勢いでメグの胸によろける。
「つか、オレが洗いたいんだよ」
相変わらずソフトに笑ってはいるんだけど、その目が笑っていない気がして・・・
逆に殺気すら感じられて、怖くなって仕方なく頷いた。
普段なんとも思わないバスルームの明かりが、今日はやけに明るく感じる。
メグに肌を見られるのは初めてじゃない。
けど、いつもは、
「は、恥ずかしいから電気消して!」
とか、
「カーテン閉めて!!」
とか、少しでも視界が悪くなるように、部屋を暗くしている。
思わず、身体に巻きつけているタオルを握りしめた。
メグがまた笑いながら、
「何やってんの? そんなもの巻いてたら洗えないじゃん」
「そー、だけど・・・ ッ!」
振り返ったメグの身体がやけにまぶしくて、慌てて顔をそらした。
ソフトな顔に釣り合うソフトな身体のライン。 余計な肉はついていないんだけど、でも、適度に筋肉はついていて、男っぽさもちゃんとある。
本当にパーフェクトなメグの身体・・・
「ほら」
「や、やだっ!」
ぼうっとメグの身体に見惚れていたら、メグにタオルを奪われた。 慌ててメグに背中を向ける。
「目、つぶって? シャンプーする」
「うん・・・」
温かいお湯がかけられ、メグが優しく髪を洗ってくれる。
・・・・・・気持ちいい・・・
メグって、ヒトの髪洗ってあげるのも上手いんだ・・・
ホント驚くくらいパーフェクト・・・
「・・・・・なんか・・・ 誤解してるだろ」
「え?」
思いがけないメグのセリフに、驚いて目を瞑ったまま聞き返す。「なに・・・?」
メグは優しく指先であたしの髪を梳きながら、
「さっき・・・ 早坂が来てたの、気付いてたんだろ?」
「え・・・」
「オレが呼んだんじゃねーから。 なんか、部活終わったあと、勝手について来て・・・・ で、ワケわかんねーこと喚いてすぐ帰ったんだよ」
すぐ帰って・・・・・・ないでしょっ!?
「だって・・・ キスしてたし・・・ そのあと早坂のこと、ウチに入れてたし・・・」
「キスは突然されたんだよ。 避けるすきなかったし。 そのあともまだ喚いてるから、社宅の奴らに見られたら色々噂されて面倒くせーと思って、ウチで・・・・・っつっても、玄関だけどな。そこで話してすぐ追い返したんだよ」
「・・・ホントに?」
「ホントだよ」
・・・・・そー、だったの?
な、なんだ・・・ あたしの勘違いだったの?
さっきまでの、メグに対する不安が一気になくなっていく。
「お前が家を飛び出していくのは聞こえてたけど、早坂は隣にお前が住んでるって知らないから・・・ ちょっと、すぐに追いかけられなかった」
ゴメンな、と言いながら、メグがシャンプーの泡を洗い流す。
「も、も―――!! 紛らわしい事しないでよねっ!? あたしてっきり・・・」
「早坂となんかあるって思った?」
「・・・・・思ったよ」
「んなワケねーだろ?」
洗い終わった髪を、器用にタオルで包んでくれるメグ。
「オレが浮気なんかするわけないだろ? お前がいる。 お前しかいらない」
「う・・・うん・・・」
メグの真剣な瞳に、急にさっきのヤジマとのことを思い出して・・・ また吐き気が襲ってきた。
どうしよう・・・
あたしの勘違いなだけで、メグは早坂とは・・・ なんでもなかったんだ・・・
なのに、あたしはヤジマと・・・
激しい後悔が襲ってくる。
メグが手でボディソープを泡立てて、あたしの身体をなでるように洗ってくれる。
あたしの背中を、メグの大きな手が優しく洗う。 首も腕も丁寧に・・・
「ん・・・ッ」
あたしの背後から腕をまわすようにして、メグがあたしの胸に触れてきた。
ホントに、性的なものはなくただ洗ってくれてるだけなのに、勝手に反応するあたしの身体・・・
そんな自分の身体が、汚く、いやらしいもののように感じられて、また吐き気がこみ上げてくる。
「・・・・・もしかして、感じてんの?」
「う・・・」
恥ずかしさに俯いた。
「エロくなったよな。 お前のカラダ」
そう耳元で囁いて、勝手に反応したあたしの胸の先をメグが摘む。
「あ、はぁッ」
そのまま胸を鷲掴みにされた。 少しだけ視線を落としたら、円を描くように動くメグの手が見えて・・・ 余計に興奮してしまった。
「あぁっ・・・ あん!」
立っていられなくてメグの胸に寄りかかる。 メグの手があたしの足の付け根辺りに滑ってきた。
「ひゃっ・・・! あぁんっ!」
「・・・・・濡れてる。 なんで、こんなんで濡れちゃうわけ?」
メグが意地悪く笑う。「・・・・・ホント、マジでエロいね? お前の身体」
「そ、そんなこと、言わないでよ・・・ や、あぁッ!」
いきなり中に指を入れられた。
すっかり受け入れる状態になってしまっているそこは、あたしの意思とは関係なくメグの指を飲み込んでしまう。
あたしの身体を知り尽くしているメグが、指を動かす。
「いやっ、や・・・ ヤダ・・・ はぁ、んっ!」
もう片方の手は、指先でその先端を弄びながら、胸を揉んでくる。
交互に襲ってくる刺激に、気が遠くなりそう・・・
「あ・・・っ だ、だめ・・・」
「ダメじゃないだろ? 気持ちいーんだろ?」
「ああぁ、んっ!」
指を入れられたまま、一番敏感なところを擦られた。
「気持ちいいって、言えよ」
「や、やだ・・・ やだぁ・・・」
「言えって」
「や・・・ は、はぁっ、ん!」
メグの指の動きに、頭が白濁してくる。 身体に段々熱がこもってくるのが分かる・・・
どんどん高い所に昇りはじめるあたしの身体・・・
腰の辺りに、熱く硬いものが押し付けられる。
それがメグ自身だって分かって・・・ 余計に昂ぶってしまった。
もう、なにも・・・・・ 自分じゃコントロールできない・・・
メグが送り込んでくる刺激に夢中になっていたら―――急に、指を抜かれた。
「・・・メ、メグ・・・?」
戸惑ってメグを振り返る。
「こんなとこで始めるのも、アレだよな」
あたしの顔を覗きこんで、メグがソフトに笑う。「お前の部屋、行こ」
「う、うん・・・」
そう肯いたけど・・・
本当は止めて欲しくなかった。 場所なんかどこでもよかった。
あたしの身体が、メグを欲しがっている。
なんていやらしい身体になってしまったんだろう。 あたしは・・・
メグがシャワーで泡を洗い流す。 簡単に身体を拭いて、あたしを抱きかかえる。
「お、重くない?」
「全然?」
メグがあたしをベッドに優しく降ろす。 髪を包んでいたタオルが外れ、濡れたままの髪がベッドに広がる。
そのままのしかかるようにして、キスされた。
「ん・・・」
何度も向きを変えて、メグがあたしの唇を食む。 その唇が、顎から首筋・・・と段々下がってくる。
すでに何も身に着けていない状態のあたしの身体に、メグが優しく唇を這わす。
「ん・・・ あ、はぁ・・・」
一度バスルームで高められていたあたしの身体は、またすぐに反応してしまう。
「ホント、エロい」
メグが小さく笑う。
「そんなこと・・・ 言わないでよ。 んんっ」
「だって、ホントのことだろ?」
「あっ、ああんっ!」
また指を入れられた。 けどすぐにそれを抜いて、
「すぐ濡れるし」
と濡れた指先を確認する。
「イヤ・・・ あぁッ!」
「エロい声で鳴くし」
メグの舌があたしの胸の上で、水音を立てる。
「あ・・・ あ、ん・・・ メグ・・・」
メグ・・・ 好き・・・ 大好き・・・・・
あたし、やっぱりメグなしじゃ生きていけない・・・
そのまま胸の先を指で弄びながら、メグの舌がどんどん下がっていく。
「いやんっ!」
おへそを舌先でくすぐられた。 その舌が、さらに下方に移動しようとする。 あたしは慌てて、
「ッ!? やっ! やめて、メグッ!!」
「なにが」
そう言いながら、メグは動きをやめない。
「それは・・・ ダメ・・・ ひゃ!? あぁぁッ!!」
あたしが抵抗する間もなく、メグがそこに舌を這わせた―――・・・

To be continued・・・